岩手が2連覇

 第48回全国高等学校将棋選手権大会(文化庁など主催)が8、9日、富山県小矢部市の「クロスランドおやべ」で行われた。部門別に大会を振り返ってみよう。まずは、聖望学園(本多剛、中村勇平、柿木祐輝)が出場した男子団体戦から。
 4部門とも予選4回戦が行われ、3勝以上が通過で本戦トーナメントに進む。男子団体戦は47都道府県から48チーム(1チーム3人)が参加。昨年優勝(岩手高)のシード権で岩手県から岩手Aと岩手Bが出場した。岩手は男子個人戦に代表2枠も獲得しており、全国大会に8人が参加している。
 【予選1-4回戦】
  全勝は岩手A、藤枝明誠(静岡)、聖望学園の3校。聖望は首里(沖縄)に3-0、大町(長野)に3-0、山形東に2-1、開成(東京)に2-1勝ちした。三将に置いて堅実に勝ってほしい柿木君が2、3回戦で不安な内容、心配が残る。
 4回戦は負けても予選突破だが、今後の相手を考えると、勝って有利な位置に入りたい。開成の大将は山口達也君(さいたま)。これは棋譜を取る一手と思った。本多-山口戦は埼玉県に住んでいる東京の高校生と東京都に住んでいる埼玉県の高校生の対戦である。
 終盤の入り口で山口君が優勢になった。最後、本多君が詰ましにいく。初めの桂打ちに正しく応じれば詰まない形だったが、誤ったために本多君の鬼手が飛び出した。これでいきなり危ない形になる。ぎりぎりで詰まなかったが、果たしてどうだったか。感想戦では詰みを発見できなかったが、あらためて調べてみよう。
 この敗戦でチームは苦しくなったかと思ったが、副将戦で中村君、三将戦で柿木君がそれぞれ難しい戦いを制してくれた。
 大会前の私の予想は岩手、藤枝明誠、幕張総合(千葉)の3強。これに続くのが聖望学園や激戦地区を勝ち抜いた甲南(兵庫)、星光学院(大阪)など。
 小、中学から活躍した3人がいる幕張総合は4回戦で岩手と対戦。大将の奥村匠君(高校竜王戦千葉代表)は勝ったが1-2で敗れた。どちらにしても予選突破だが、当たり方が違ってくるので幕張総合としては勝ちたかったところだろう。
 【本戦1回戦】
 予選を勝ち抜いたのは15校で、岩手が1位通過により1回戦不戦勝となった。聖望は星光学院と対戦。星光学院はおそらく大阪予選で高槻(わが母校)を破ってきたはずだ(違うかも)。聖望のメンバーに敵討ちを願った。
 大将戦(本多君)がいきなり劣勢に。三将戦(柿木君)は優勢になったので、副将戦(中村君)に注目したが徐々に苦しくなっていく。1-1から大将戦が残った。苦しい将棋だったが、少しずつあやしくなっていく。相手の居飛車穴熊の端からアヤをつけて逆転に成功。しかし、悪くなってからは強かった本多君が優勢になって今度はよれる。決め手の筋(龍捨て)が見えていないようで寄せがおかしい。最後はどうにか逃げ切ったが、胃に悪い将棋だった。
 微妙な勝負はあったが、強豪校が順当に勝ち上がり8強が出そろった。
 【準々決勝】
岩手A3-0東北学院(宮城)
松山中央(愛媛)2-1福島
聖望学園2-1甲南
藤枝明誠2-1幕張総合
 岩手は東北決戦を制した。昨年の決勝は宮城の仙台二だった。男子団体戦は麻布時代から関西時代(星光学院、嵯峨野、灘、上宮がV)を経て東北時代になっている。過去4年間で決勝進出の8校のうち7校が東北勢という状況だ。
 松山中央は予選からこれで5勝1敗だが、勝ったときは全て2-1。全敗のチームとの対戦でも2-1勝ちだったから、2強のチームなのだろう。
 藤枝明誠-幕張総合戦は初日の大一番。大将の奥村君が友田敦史君(高校新人大会優勝)を破ったが、副将、三将が敗れて、幕張総合は姿を消した。幕張総合は岩手、藤枝明誠戦以外は3-0勝ち。藤枝とは1局早く当たってしまったかなという印象である。1年、2年、2年というメンバーなので来年は有力だろう。
 聖望は大将戦が快勝。副将戦は中村君が昨年の中学生準名人である芦北夏輝君に苦戦。三将戦の柿木君に期待がかかる。ちょっと負けそうな雰囲気だったが、最後はぴったり詰ました。これで2日目に残る。顧問の新井先生、応援の中村父も軽くガッツポーズで嬉しそうだった。
 【準決勝】 
 準決勝は9日に別室で行われた。
 岩手A3-0松山中央
 藤枝明誠2-1聖望学園
 埼玉県勢は男子団体戦で優勝したことがない。準優勝が2回(立教、慶応志木)あるだけだ。20年以上の歴史を持つ全国大会で埼玉県代表が優勝していないのは、この部門だけである(最近、清水上さんがアマ竜王になってくれた)。
 期待がかかった聖望だが、昨年、準々決勝で0-3と完敗を喫した藤枝明誠の壁は厚かった。しかし、今年は大接戦。柿木君が快勝、中村君は敗れて大将戦勝負となる。本多君は友田君というスター選手に大善戦。ちょっとずつリードしていた将棋だったが、最後の最後で友田君の底力に屈して逆転負けを喫した。残念無念、しかしオール2年なので、来年に期待したい。
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 【決勝】
 岩手A3-0藤枝明誠
 昨年優勝と同じメンバーの岩手(中川滉生、桜井飛嘉、小野内一八)の完勝だった。高校準竜王を三将に置く贅沢で隙のないオーダーで20勝1敗という圧倒的なスコアを残した。岩手は5年連続で決勝に進出、優勝3回、準優勝2回は素晴らしい。全盛期の麻布(18年間で優勝11回、準優勝2回、4連覇あり)を彷彿させる。
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 しかし、長くなった。この調子で残り3部門はつらいな。

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