ドラへの道㉜大学2年生編・その5

 春季の関東学生大会で個人戦ベスト16、リーグ戦6勝1敗という結果を残した私は学生名人戦の切符を無事に獲得した。現在は個人戦8強以上が確定、16強で負けた8人が残りの椅子をトーナメントで争う方式となっている。前にも書いたが、これが最善の方法と思う。
 当時の選出方法は個人戦を重視するがリーグ戦の結果も加味する。この時の代表選手は4強以上からは全員の4人、8強で負けた4人からは2人、16強で敗れた8人からは3人、32強敗退から1人、それ以下から1人の計11人が選ばれた。
 8強で落ちた2人はXさんとYさん。XさんはA級でおそらく負け越したと思われる。不運なのはYさんで、C1級で全勝している。しかし七将で出たのが常任幹事たちから不評を買い、落選となった。あまり良くないことだが幹事からの受けが影響する。私は前年の不戦敗事件で印象が悪いのではと心配していたが、どうにか滑り込んでいる。

 第34回学生名人戦は6月10、11日に新宿の厚生年金会館で行われた。同会館は9年後、読売日本一決定戦を制した地である。現在は寂しいことに閉館、ヨドバシカメラの配送センターなどが入っているようだ。
 1回戦の相手は中四国学生名人の田中雅典さん(広島修道大)。この年の冬には学生十傑戦を制している。私の四間飛車穴熊に田中さんは玉頭位取りで構えられた。序盤早々のイージーミスで無理攻めするしかなくなった。苦しくなったが田中さんの楽観からか、こちらにチャンスが回ってくる。しかし、その好機を生かせず、あとは完全に指し切り。最後はみじめな穴熊の姿焼きが完成である。
 この将棋はどういうわけか、朝日新聞の観戦記で使われた。東公平さんに書いていただいたが、3、4譜あたりの見出しで「ドラえもん」となっている。ここで書かれていなければ、教室名は「ドラの穴」にはならなかったと思う。

 1回戦の隣の対局は永田雅信(中大)-瀬良司(阪大)という好取組。熱戦の末に永田君が勝っている。瀬良さんは春の関西学生名人だった。瀬良、永田、小島が1、2回戦で密集するのは3年後の学生名人戦でも実現する。永田君は2回戦で田中さんにも快勝した。
 11人の関東勢は1回戦で4勝7敗。2回戦は2勝2敗で8強進出は2人と低調だった。一昨年の学生王将の谷川俊昭さん(東大)、昨年の学生王将の内藤真明さん(明大)は1回戦、2年連続学生準名人の深井一伸さん(東大)は2回戦で敗れている。残ったのは永田君と奥村幸正さん(東大)で、両者とも関東学生棋界の新加入組である。
 両者が準決勝で対決、個人戦準々決勝の雪辱を果たした永田君が1年生ながら決勝進出を決めている。
 決勝は当時無名(失礼)の松下和広さん(熊大)。ここまで強豪を連破してきた永田君に分があると思われたが、決勝戦は打って変わっての拙戦。松下さんが九州勢で初の優勝を飾っている。なお、松下さんは2年後にも準名人となっている。

 写真は2年前の飲み会。右から3番目が松下学生名人の40年後。
野山理事長.JPG 

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